目次
1 今日のパワーメンターと著書
今日は、オザビエル(私)が、
京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者
稲盛 和夫(いなもり かずお)さんの著書
『 人生を意のままにする力 心。 』から学んだ
人生を生き抜くための
「パワーフレーズ」をお届けします。
2 ライオンとチンパンジーの「足るを知る」本能
調和しながらともに成長していく生き方のよきモデルを、
私たちは、自然界の中に見いだすことができます。
弱肉強食は自然界の掟だと言われていますが、
たとえば百獣の王ライオンであっても、
一度狩りをして腹が満たされれば、
1週間ほど、獲物がすぐそばにいても襲うことはしない。
欲のおもむくままにむさぼっていたら、
いずれ自分たちの食糧事情を、
自分で危うくしてしまうことを本能的に知っているからです。
京都大学の霊長類学者であられた伊谷純一郎先生からお聞きした話ですが、
チンパンジーは草食動物だと思われていますが、
ときには牛や羊などの大型哺乳動物を襲うこともあるそうです。
動物性タンパク質は栄養も高く、美味ですから、
そのごちそうを群れのみんなで喜んで食べると言います。
それほど高価値の食料なら、しょっちゅう動物を襲っても良さそうなものですが、彼らはそうはしません。
その頻度は定かではないけれども、「たまに」しか捕らえようとしない。
生きていくのに必要な栄養分だけを捕食し、
それ以上はやはりむさぼろうとはしないのだそうです。
この話を聞いたとき、
私は自然界にあって人間界にはない「節度」を感じました。
生存のための必要最低限の努力はするが、
欲望を過剰に拡大させるような振る舞いはけっしてしない。
「足るを知る」本能が、彼らには備わっているのです。
3 「それは神さまが許さない」
また、伊谷先生は、次のような話もしてくれました。
アフリカに調査に行くと、いわゆる焼畑農業によってタロイモなどの作物をつくっている現地の人たちの集落がある。
森林を焼いて畑にする焼畑農業では、
一つの場所で収穫を行うのは、2、3年が限界で、
それ以上連作をすると、土地の養分が痩せ細ってしまう。
すると彼らは、次の区画を焼き払って畑とし、
そこで種をまいて作物を得る。
そこで2、3年連作すると、また次の区画に移って━━ということをくり返すそうなのです。
しかし、その焼く場所は無制限に拡大していくのではなく、
たとえば10区画くらいをめぐると、再び最初の区画に戻ってくる。
そのころになれば最初に焼いた場所にも十分栄養が戻り、
森林も育っているからです。
あるとき、伊谷先生たちが毎年のように立ち寄る集落を訪れたとき、
いつもなら、もてなしのごちそうを振る舞ってくれる集落の人たちが、
すまなそうな顔で「今年は食べるものがないのです」と言ったそうです。
理由を尋ねると、その年には各国の調査隊が訪れて、
そのたびにごちそうしているうちに、
自分たちの食べる分まで足りなくなってしまったらしい。
先生は気の毒がって、持参してきた食料を少し分けてあげたそうですが、
そのとき浮かんだ疑問を素直に口にしてみました。
「食べ物が足りないのなら、もっとたくさん焼畑をつくったらどうですか」
集落の長老は、こう答えたと言います。
「それは神さまが許さない」
制限なく森を焼けば、自然の再生力を壊して、それが自分たちの首を絞めてしまうことを彼らは知っている。
原始的な環境に置かれた人たちは「足るを知る」という節度を心得ているのです。
4 オザビエルの願い
今日の学びは、
ライオンやチンパンジーは「足るを知る」本能が彼らには備わっている。
原始的な環境に置かれた人たちは「足るを知る」という節度を心得ている。
「足るを知る」生き方を自然界から学び、
自然界と調和しながら、ともに成長していく生き方をしていかなければならない。
日本では、国民1人当たり1日約103gのご飯の量=おにぎり約1個(約110g)もの食品ロスが発生しています。
一方で、世界には飢餓に苦しむ人々が多く存在します。
食べ物が公平に分配される仕組みをつくるためには、
まずは私たちが、過剰な消費をしないようにしなければなりません。
出典 『 人生を意のままにする力 心。 』 稲盛 和夫(いなもり かずお) 発行所 サンマーク出版 画像はヤフー検索から