目次
1 今日のパワーメンターと著書
今日は、オザビエル(私)が、
京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者
稲盛 和夫(いなもり かずお)さんの著書
『 人生を意のままにする力 心。 』から学んだ
人生を生き抜くための
「パワーフレーズ」をお届けします。
2 おのずと感謝の心がわき上がってくる
私たち人間はそもそも、けっして1人では生きていけないものです。
空気や水、食料がなければ1日たりとも生き延びることはできませんし、
また家族や仕事の仲間、社会というものがなければ、
人間としての営みも続けることはできません。
自分を取り巻くあらゆるものに支えられ、助けられて生かされている━━そのように考えたら、私たちはまず生きていることに感謝しなければなりません。
いままで不自由なく生きてこられたこと。
日々健やかに仕事に邁進できること。
それはけっして当たり前のことではありません。
「ありがとう」という言葉は、「あるのが難しい」、
すなわちありえないことが起こっているという意味で、
私たちが生きて経験することは、実はすべてが「あるのが難しい」ことの連続なのです。
そのことの意味を深く味わうことができたら、
おのずと感謝の心がわき上がってくるでしょう。
自分を取り巻くあらゆるものに
「ありがとう」という言葉を言えるようになれば、
人生はより幸せで、すばらしいものになっていきます。
3 「なんまん、なんまん、ありがとう」
これまでの人生を歩む中で、感謝すべき場面に遭遇したとき、
私の口をついておのずと出てくるのは、
「なんまん、なんまん、ありがとう」という言葉でした。
「なんまん」は「南無阿弥陀仏」がなまったもの。
その言葉は、はるか遠い幼児期、
父に連れられて行った「隠れ念仏」の席で教えてもらったものです。
隠れ念仏とは江戸時代、薩摩藩によって禁制に処されながらも、
信仰を貫いた人たちによって、密かに守り続けられてきた宗教的儀礼で、
私の子どものころまでは、それが風習として残っていたのです。
そのとき、父に手を引かれながら日没後の暗い山道を歩き続け、
やっとたどり着いた山奥の粗末な小屋の中で、
お坊さんが仏壇に向かって、読経の低い声を上げていました。
私たちはその席に加わり、読経を終えると、
お坊さんは、参加者の1人ひとりに仏壇を拝むよう促します。
父にならって祈りを捧げる私に、お坊さんは、
「今日は、遠い鹿児島市内からよく来てくれた」
というねぎらいの声をかけてくれ、さらにこう言葉を継ぎました。
「坊やには、今日のお参りで仏様のお許しが出た。
今後はもう来なくていい。ただ、これからは毎日、
『なんまん、なんまん、ありがとう』という念仏を必ず唱えて、
仏様に感謝の思いを伝えるようにしなさい」
4 80年近くたったいまでも
あれから80年近くがたったいまでも、ことあるごとに━━
朝、顔を洗いながら、ふとわけもなく素晴らしい幸福感に包まれたときや
おいしい食事をいただいたときなどに━━
「なんまん、なんまん、ありがとう」という言葉が耳によみがえり、
祈りのつぶやきとなって、口をついて出てきます。
この言葉を心に埋め込んでいただいたことは、
私の人生にとっての大きな財産になりました。
いつも感謝する心の大切さ、それを口に出して唱える大切さを、
あのときのお坊さんは、幼い私に伝えてくれたのです。
さして特別な才能があるわけでもなく、
若いころに挫折ばかりをくり返していた私が、
経営の世界でそれなりの仕事をすることができたのは、
この言葉を知っていて、つねに感謝の思いを口にしていたからかもしれません。
5 オザビエルの願い
今日の学びは、
毎日、『なんまん、なんまん、ありがとう』
という念仏を必ず唱えて、
仏様に感謝の思いを伝えると、
素晴らしい幸福感に包まれる。
いつも感謝する心の大切さ、
それを口に出して唱える大切さを、
心に埋め込んで、
「ありがとう」「ありがとうございます」
が自然に口から出るようにしましょう。
出典 『 人生を意のままにする力 心。 』 稲盛 和夫(いなもり かずお) 発行所 サンマーク出版 画像はヤフー検索から