今日は、オザビエル(私)が、
精神神経科・斎藤病院名誉院長
斎藤 茂太(さいとう しげた)さんの著書
『「もう疲れた」と思ったときに読む本』から
実践していきたい
「幸齢者mind」をお届けします。
目次
1 97歳でなくなった2人の画伯
画家・梅原龍三郎は、ウィスキーのボトルを2日に1本の割合で、
空けるという酒豪だったという。
ところが亡くなったのは97歳。
アルコール依存症の平均寿命が53歳であることから考えると、
画伯は人並み外れて酒に強かったのだろう。
この梅原画伯は、亡くなる1、2年ぐらい前から、
すでに亡くなっている夫人のことばかり話していたという。
この世の人ではない夫人のことを探したり心配したり、
これは老年痴呆が理由だと思われるが、
こういう症状が周囲の人に気づかれるのが、
70歳代の末から80歳代半ばにかけて最も多いことを考えれば、
画伯はこの点でも強い人間であったと言える。
中川一政画伯も、同じく97歳で亡くなった。
意識障害の中でも、空中に指で構図を描いておられたと
ご長男からうかがったが、まさに「絵の鬼」だった。
梅原画伯、中川画伯、双方ともに性格がおおらかで、
神経質にくよくよしたりしない。
しかも仕事を楽しんでやるという共通点があった。
絵を描くことは、老化現象防止に大いに役立つ。
絵を描くだけではなく、目を輝かせ、
手を動かすことは、脳の感覚野の3分の1以上を使うし、
右脳を活性化し、同時に左脳を休ませるから、
よい結果をもたらすという利点がある。
2 誰にでも老化は襲ってくる
誰にでも老化は襲ってくる。
記憶力障害、新しいことを忘れる記銘力障害、
このような事柄は、多かれ少なかれ老化の一症状として出てくる。
「初老期」と「老年期」の間の線をはっきりつけることは不可能だが、
老年期に起こるうつ病も、別に特別なうつ病があるわけではなく、
本質的に青年期、壮年期のうつ病と異なるところはない。
子どもたちも独立して、精神的にも親から離れていくと、
ホッとしてうれしく感ずると同時に、やはり孤独感を味わうことになる。
特に、父親は家庭での地位や主導権も落ち目になってくるかもしれない。
いろんな意味で、老年期うつ病には心因性が多いし、
また、心気的な訴えも増えるのが当然だ。
もうひとつ忘れてならないのは、老年期の精神症状の中には、
人の同情を引きたい、人の自分への関心を取り戻したい、
もっとかまってほしい、といった「病気への逃げ込み」の感情が
混入しているということだ。
3 今日の金言 斎藤 茂太(さいとう しげた)
将来のことを必要以上に心配することはない。
気を揉んでいたずらに時を過ごすよりも、
なんでもいい、今からできること、したいことをしてみるといい。
まずは行動を起こすことだ。
97歳の2人の画伯、双方ともに性格がおおらかで、
神経質にくよくよしたりしない。
しかも仕事を楽しんでやるという共通点がありました。
私たちは、今からできること、したいことをしてみる。
まず行動を起こして、健康で元気な心と体づくりを始めましょう。
出典 『「もう疲れた」と思ったときに読む本』 斎藤 茂太(さいとう しげた) 発行所 実業之日本社 画像はヤフー検索から