出典:画像 がんを予防するためには 東京都保健医療局
今日は、オザビエル(私)が、
NHKガッテン!2019年11-12月号 (発売日2019年10月16日)
総力特集「“がんにならない”ワザ、なっても人生を楽しむ知恵」から学んだ
実践していきたい
「幸齢者mind」をお届けします。
いま現在、そして近い将来、がん医療はどうなっていくのか。
国立がん研究センター理事長の中釜さんに未来像をお聞きしました。
目次
1 治癒率アップのカギを握る「がんゲノム医療」
がんの告知を死の宣告のように受け取る人は、いまだに多いですが、
がんの60%以上は治る時代になっています。
ただし、残念ながら、早期発見が難しいがん、
腫瘍が小さい段階で見つかっても、治すのが難しいがんもあります。
そういったこれまで治療が難しかったがんに対する切り札のひとつが、「がんゲノム医療」です。
「がんゲノム医療」とは、
がんを増殖させる源である遺伝子の異常を見つけ出し、
一人ひとりの患者さんのがんに合った、最適な治療を選択する方法です。
がんの遺伝子異常の有無を調べ、
そのがん細胞のアキレス腱をピンポイントで攻撃する薬を投与できれば、
劇的な効果が出る可能性があります。
たとえば、進行した卵巣がんで、
「もう使える治療薬がない」と言われた患者さんが、
がんゲノム医療で、特定の遺伝子異常がわかり、
それに合った薬を投与したところ、劇的に効いたケースがあります。
現時点では、
がんゲノム医療で治療法が見つかる患者さんは、10~20%ですが、
遺伝子のデータを蓄積して新薬の開発を進め、
この数値を上げていきたいです。
2 新治療開発と早期発見でがん克服を
また、昨年ノーベル医学・生理学賞をとった京都大学特別教授の
本庶佑さんの研究をもとに開発された免疫チェックポイント阻害薬も、
これまでは治療が難しかった進行したメラノーマ(皮膚がんの一種)や
肺がんなどの患者さんたちの一部に劇的な効果をもたらしています。
ほかにも、私が医師になった35年前には考えられなかったスピードで、
さまざまながん治療の開発が世界中で進んでおり、
近い将来、がんの治療率の向上が期待されます。
いっぽうで、まだがんになっていないみなさんは、
がんを予防する生活習慣を心がけ、正しいがん検診を受けて、
早期発見・早期治療をすることが大切です。
今よりも早期発見される人が増え、治療がさらに進歩すれば、
がんが80%治る時代の到来も夢ではありません。
そんな日が1日でも早くくるように、一緒にがんばりましょう。