223　頭の中を楽しくする天才になろう

笑顔、ほめ言葉……ときたら、次はいよいよ頭の中です。

一人さんはとにかく、頭の中を楽しくする天才と言える人なのです。

これは私が出会った頃から、まったく変わりません。

ある日、一人さんと一緒にドライブに行ったときのことです。

長い距離を走った帰り道、渋滞に遭いました。

そこで一人さんが「あ～あ」と言ったのです。

さすがに長い時間、車の運転をしたので、

「疲れたなぁ」とか「ついてないなぁ」と言うのかなと思いました。

しかし一人さんの口から出た言葉は、

「気持ちいいなぁ」（笑）

しばらく走ってから、ふたたび「あ～あ」。

今度こそ疲れたんだろうと思ったら、

「しあわせだなぁ」

一人さんは絶対に地獄言葉は使わないのです。

先日も１週間ほど、仲間たちと九州を車で旅行しました。

講演会やパーティも含んだハードスケジュールにもかかわらず、

一人さんは、朝から晩まで楽しいお話や

笑っちゃうジョークばかりを言います。

たとえば高速道路を走行中、運転手ののぶちゃんに向かって、

「もう少し行ったところに、俺の顔の利きくトイレがあるから、

寄ってくれる？」

えっ！　一体どんなトイレなんだろうと目を見張ると、

普通の公衆トイレ。

「みんな無料で入れるよ」

車内は爆笑の渦うずです（笑）。

そのあと神社でお参りをして、駐車場を出るときの料金表示が400円。

それを見た一人さんが、

「予算７万円でいたのに、ずいぶん安いもんだなぁ。

しかも、この機会にはチップを入れるボタンもないのかい？」

「俺も少しずつ世間のことがわかってきたよ」

もちろん、またまた大爆笑です（笑）。

そんな私たちが旅行中、大好きな食事と言えば、

高速道路のサービスエリアの小さなお食事処。

それぞれみんな違うものを頼んで、回し食いです（笑）。

これがいろいろな味が楽しめるし、わいわい楽しくて、いつも、

「おいしいね～」「しあわせだね～」と天国言葉の連発なのです。

これも、もとはと言えば一人さんが好きで始まった習慣です。

一人さんの頭の中は、このように楽しいことばかりで、

たった１秒たりとも嫌なことに頭を使いたくないと、

ずっと前から決めているそうです。

「新しい商品をつくりたいとか、いいひらめきがほしいと思ったら、

必ず頭の中を楽しくしておくの」

「楽しい」という豊かな土壌の上に、

ひらめきという種がポンポン湧いてくる一人さん……。

それを昔から実践しているのが、一人さんだなぁと、

私はつくづく思うのです。