184　「うたし焼き」とは

私は、ものの見方を「見み方道かたどう」と呼ぶことにしています。

というのも、ものの見方というのは、

一生涯かけて会え得とくすべきものだと考えているからです。

そして、その道を極きわめた人を「家元いえもと」と呼ぶことにしました。

私は「見方道」の家元で「うたし焼やき」の窯元かまもとになりますが、

「うたし焼き」とは、うれしい話、楽たのしい話、幸しあわせな話、役やくに立つ話、

興きょう味深い話の頭かしら文字をとったものです。

自分が何かを言うときは、こうした話に限定して、

不平不満、愚痴ぐち、泣き言、悪口、文句をやめること。

日本の政治が悪いとか、経済が悪いとかいう話はしないほうがいいです。

私は旅先で、夜よな夜よないろいろな話をしてきましたが、

世の中が悪いとか、政治経済が悪いとかいった話を

一切いっさいしてきませんでした。

これは、私自身で決めたことです。

面白い話、気持ちいい話の収集家と言うことを

考えながら生きてきましたから、

旅先などでは、うれしい話や楽しい話、幸せな話、役に立つ話、

興味深い話をしてきました。

その結果として、講演してくださいという話を

いただくようになりました。

こうした話ばかりをしていると、

周りに明るくて楽しい人が集まるようになります。

逆につらいとか、悲しいとか、苦しいとかいった話ばかりしていると、

その人自身も気がつかないうちに、聞いている人も気が滅入めいってきます。

顔を合わせるたびに、そうした話題しか出てこないと、

人が離れてしまうものです。

１日１つでいいので、うれしい話、楽しい話、幸せな話、役に立つ話、

興味深い話をするようにしてみてください。

そうすれば人間関係や友人関係、自分の生きている世界は変わります。