日本国憲法の制定をわかりやすく解説します。
目次
1 民主化
民主化は、非軍事化と並ぶGHQの基本方針の1つ。
政治の面では
・ 政治活動や言論の自由が保証された。
② 選挙法が改正された。- 1945(昭和20)年12月15日成立
・ 満20歳以上の男女に選挙権があたえられた。
経済の面では
① 財閥が解体された(財閥解体)。- 1945(昭和20)年から1952年にかけて
・ 三井・三菱・住友・安田などの財閥が解体された。
※ 日本の経済を支配し、軍国主義を支えてきた。
② 労働組合法が制定された。- 1945(昭和20)年12月22日公布
・ 労働者の団結権を認めた。
③ 労働基準法が制定された。- 1947(昭和22)年4月7日公布
・ 労働条件の最低基準を定めた。
農村では
① 農地改革が行われた。- 1946(昭和21)年から1950年にかけて
・ 地主の持つ小作地を、政府が強制的に買い上げて、小作人に安く売り渡した。
→ 多くの自作農が生まれた。
※ 小作人 = 自分の農地を持たない
※ 自作農 = 自分の農地を持つ
2 日本国憲法の制定
1 民主化の中心は憲法の改正
① 制定の過程
a 日本政府の憲法改正案
・ 大日本帝国憲法を手直ししたものにすぎなかった。
→ GHQが自ら草案をまとめた。
b 日本政府は、それを基に改正案を作成した。
⇒ 帝国議会の審議・修正を経て完成した。
② 成立
・ 1946(昭和21)年11月3日に公布(こうふ)された。
※ 現在の文化の日🎌
・ 1947(昭和22)年5月3日に施行(しこう)された。
※ 現在の憲法記念日🎌
③ 日本国憲法の3つの基本原理
- 国民主権
- 基本的人権の尊重
- 平和主義
④ 天皇の地位
・ 日本国および日本国民統合の象徴
※ 統治権を持たない
⑤ 国会の地位
- 国権の最高機関となる
- 二院制 = 衆議院と参議院
※ それまでは衆議院と貴族院
・ どちらの議員も国民の選挙で選出される。
2 他の法律の整備
① 地方自治法が制定された。- 1947(昭和22)年4月17日公布
・ 地方公共団体の組織や運営を定めた。
→ 地方自治を重視した。
※ 首長と議員は住民の選挙で選ばれる。
② 民法が改正された。- 1947(昭和22)年
・ 男女平等をに基づく新たな家族制度が定められた。
③ 教育基本法が制定された。- 1947(昭和22)年3月31日公布
・ 民主主義の教育の基本が示された。
→ 義務教育は小学校・中学校の9年間
※ 教育勅語は失効した。
3 社会運動の復活
国民の間でも、民主化に向けた動きが高まった。
- 日本社会党(社会党)や日本自由党が結成された。
- 日本共産党が再建された。
社会運動もさかんになった。
- 労働組合が数多く組織された。
- 部落解放運動が再建された。
- 北海道アイヌ協会も新たに結成された。
さあ、基礎・基本の用語をしっかり覚えましょう。
◎ 基礎・基本の用語
〇 民主化(みんしゅか)- 非軍事化と並ぶGHQの基本方針の1つ
〇 財閥解体(ざいばつかいたい)- 三井・三菱・住友・安田などの財閥が解体された
〇 農地改革(のうちかいかく)- 地主の持つ小作地を、政府が強制的に買い上げて、小作人に安く売り渡した
〇 日本国憲法(にほんこくけんぽう)- 1946(昭和21)年11月3日に公布 1947(昭和22)年5月3日に施行
〇 教育基本法(きょういくきほんほう)- 民主主義の教育の基本を示した
A 1946年5月3日 B 1946年11月3日 C 1947年2月11日 D 1947年5月3日
☆ ふり返り
◇ ①~⑤に当てはまる言葉を答えなさい。
1 (①)化は、非軍事化と並ぶGHQの基本方針の1つ。
2 1945年~1952年にかけて、三井・三菱・住友・安田などの(②)が解体された。
3 (③)は、自作農を増やし,農村を民主化するために、1946(昭和21)年から1950年にかけて行われた改革。
4 (④)が、1946(昭和21)年11月3日に公布された。
5 民主主義の教育の基本を示す(⑤)が、1947年3月31日に制定された。
💮 答え
① 民主化(みんしゅか)
② 財閥解体(ざいばつかいたい)
③ 農地改革(のうちかいかく)
④ 日本国憲法(にほんこくけんぽう)
A 1946年5月3日 B 1946年11月3日 C 1947年2月11日 D 1947年5月3日
答え B 1946年11月3日
これで基礎学力バッチリです。