62 必ず訪れる死までを、どのように生きるか

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渡り鳥たちの輪舞の写真

今日は、オザビエル(私)が、

心理学者、千葉大学名誉教授

多湖 輝(たご あきら)さんの著書

らくろうのすすめ』から 実践していきたい

幸齢者mind」をお届けします。

1 立つ鳥、後を濁さず

楽老のすすめ―すぐ実行できる愉しい老年パワー48

立つ鳥、後を濁さず」とは、日本人の美徳の一つです。

 

改めて説明するまでもないかもしれませんが、

たとえば引っ越し、たとえば転職というように、

もといた場所から立ち去るときには、

後の人の手をわずらわせないように、

すっかりきれいにしておく、ということです。

 

その空極は、やはり、人の死でしょう。

 

そこでいつも想い出すのが、さよなら、さよならの決め台詞ぜりふ

有名だった映画評論家の淀川長治よどがわながはる氏です。

淀川氏とは、生前、何度かお話させていただいたことがあります。

たいていの映画は否定しなかった淀川さんが、

きっぱりと、「嫌いです」とおっしゃった映画があります。

 

それは、渡辺わたなべじゅんいちさんのベストセラー小説を映画化した「失楽園しつらくえん」でした。

映画の名誉のためにも言っておきますが、

淀川氏が好まなかったのは筋書きではなく、

最後に男女がしんじゅうを遂げるのが室内だった、という点でした。

 

淀川氏は、毎晩、枕元に葬式代を置いて寝ていたほどの人です。

生涯独身だった淀川氏が、最後に住むことに決めたホテルも、

エレベーターに棺桶かんおけが入るかどうかで決めた

とおっしゃっていたほどですから、自分が死んだ後のことを、

人一倍気にかけていらっしゃったことがうかがわれます。

 

そんな淀川氏にとって、

たとえ映画の中とはいえ、発見されにくい室内で、

自殺をする男女の無神経が信じられなかったのでしょう。

 

淀川氏のこの話は、

死ぬことは、まさに今、いかに生きるかを考えることにつながる、

ということを教えてくれています。

 

死から考えると、生が見えてくるということです。

死ぬときの自分は、どうありたいか。

いわば死という最終地点を定め、

生はそこに向かっていく過程だと考えると、

人生に対する見方もぐっと変わってくるはずです。

天空をめざす白鳥の飛翔の写真

2 最高の有終の美を飾る

楽老のすすめ―すぐ実行できる愉しい老年パワー48

この先、何十年も残されていない老年人生ならなおのこと、

死ぬときの自分の理想像から逆算して、

それまでをどう生きるかを考えておくべきです。

 

死と言うと、暗いイメージがつきまといますが、

私はそれは違うと、と思います。

今言ったように、

死を考えることが、より深く生を考えることにつながり、

より深く生を考えることが、人生をより充実させることは間違いないからです。

 

必ず訪れる死までを、どのように生きるか、それは人それぞれでしょう。

しかし、最期が醜くては、それまでの輝かしい人生も台無しです。

 

病気や介護で、周囲の手を煩わせてしまうのは仕方ありません。

それでも老年人生を楽しく生き抜き、

そして自分が死んだ後には、

極力、世話になった人たちの手を煩わせない。

そんないさぎよい死にざまを見せられたら

老年人生は、最高の有終の美を飾ることができる、と思うのです。

3 今日の金言  多湖 輝(たご あきら

立つ鳥、後を濁さず」とは、日本人の美徳の一つです。

死を考えることが、より深く生を考えることにつながり、

より深く生を考えることが、人生をより充実させる。

自分の寿命予定は歳。

それから逆算して、残り〇〇年、日。

これからますます、周囲の人に少しでも喜ばれる存在となり、

充実した生き方をしていきたい。

そして、世話になった人たちの手を煩わせないで、

最高の有終の美を飾ることができるように、

少しずつ、少しずつ」準備をしておきたいと思います。

出典 『楽老のすすめ多湖 輝(たご あきら) 発行所 海竜社 画像はヤフー検索から
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