今日は、オザビエル(私)が、
精神神経科・斎藤病院名誉院長
斎藤 茂太(さいとう しげた)さんの著書
『「もう疲れた」と思ったときに読む本』から
実践していきたい
「幸齢者mind」をお届けします。
目次
1 何か新しいことをやってみる
私が「老い」を痛切に感じたのは、70歳になってからである。
70歳というと一般的にかなりの老人だが、
私はまだまだ自分は老いていないと思っていたから、
文芸家協会の長寿会員(70歳以上)に自分の名前が載ったときは、
少なからずショックだった。
その年、私は日本精神科病院協会の会長の座と
早稲田大学文学部の教壇を同時に降りた。
できればもう少し続けたかったが、このように「老い」を突きつけられると、安閑としてはいられない。
そこで私は何か新しいことを始めてみようと、
思いついたのが『鉄道唱歌』の暗唱だ。
1966年に亡くなられた、思想家の安部能成先生の鉄道唱歌暗唱を
以前お聞きしたことがあった。
私は乗り物好きなので、
♪ 汽笛一声新橋を、はや我が汽車は離れたり ♪
で始まるこの唱歌に挑戦することを思いたった。
「歌なんて」と笑われるかもしれないが、
明治時代に流行した『鉄道唱歌』は「東海道、山陽・九州」などがあり、
それぞれ地名が織り込まれた長大な歌だ。
これを暗記することは脳に大きな刺激を与えることになる。
「年かな」と思ったら、あえて自分が考えてもみなかったことを、
思い切って試してみるのも、案外楽しいかもしれない。
2 老いを防ぐチェック法
人間の脳細胞は、だいたい30歳から減り始め、
40歳の半ば頃から急激に減少を始める。
新聞の文字が読みにくくなったり、物忘れも多くなるし、
人の名前がなかなか思い出せなかったりする。
また同じ話を何度も繰り返したり、
まるで子どもがダダをこねるようにスネたりする。
最近は若年の人の中でも、軽いボケの症状が出ることもあるという。
老化を防ぐためには、まず、次のような具体的なチェックを自分なりにしてみるといい。
- 食べ過ぎに注意し、動物性タンパク質を取り過ぎないようにする
- なるべく車を使わずに、自分の足を使って移動する
- 何か自分にしかできない仕事を見つけ、それに没頭する
- 積極的に趣味を持ち、何にでも興味を持って接する
- 多くの人との興隆を持つこと。特に異性とのつき合いを忘れないこと
- 適度のストレスを楽しむ
- 何としても自分は長生きするのだという考えを捨てる
- 過度に寝ない
- 洋服にも気を配って、できるだけ若々しい服装を心がける
- 夫婦の間で愛することを嫌わない
- お酒を飲み過ぎない、タバコも慎む
- 仕事の第一線から遠ざかっても、それをリタイヤだと思わずに、新しい仕事への第一歩だと考える
- 感動を求めて努力する
長生きの秘訣の第一は「くよくよしないこと」だ。
専門家に言わせると、鯉の寿命は200年以上だと言うことだが、
鯉の泳いでいる姿を見ていると、ゆうゆうとしていて、
少しも怒った様子を見せない。
「くよくよしない」というのが長寿の秘訣かもしれない。
だから私は「頭が重い」とか「疲れやすい」、また「肩がこる」「動悸がする」「めまいがする」と言って診察に来る人に、
「さあ、ボクと一緒にヒコーキの練習を始めましょう!」と誘う。
もちろん、それが本物の飛行機の操縦と聞いて仰天して目を丸くするが、
私としては半分冗談だとしても、
「ハイ、行きましょう!」と、すぐにでもついてくるような、
そんな気持ちを持つことを望んでのことなのだ。
3 今日の金言 斎藤 茂太(さいとう しげた)
長生きの秘訣の第一は「くよくよしないこと」だ。
「年かな」と思ったら、
あえて自分が考えてもみなかったことを、思い切って試してみる。
長生きの秘訣の第一は「くよくよしないこと」。
老化を防ぐために、13項目のチェックを定期的に行い、
できていないところは、1つずつ改善をしていきましょう。
そして、健康で元気な心と体づくりを、ゆうゆうとしていきましょう。
出典 『「もう疲れた」と思ったときに読む本』 斎藤 茂太(さいとう しげた) 発行所 実業之日本社 画像はヤフー検索から