今日は、オザビエル(私)が、
精神神経科・斎藤病院名誉院長
斎藤 茂太(さいとう しげた)さんの著書
『「もう疲れた」と思ったときに読む本』から
実践していきたい
「幸齢者mind」をお届けします。
目次
1 ガンにかからないための12ヵ条
ガンは病気のなかでも死因のトップを占めている。
たくさんの学者がこのガンをなんとかしようと、
懸命に研究を重ねているが、なかなかガンの正体がつかめない。
次に紹介するガン予防法は、
国立がんセンター研究所の杉村博士が提唱したものである。
- 偏食しない
- 同じ食品を何回も繰り返して食べない
- 腹八分目に食べる
- 深酒はやめる
- タバコはやめる
- 適量の各種ビタミンを含んだ食品をとる
- 塩分を過度にとらない
- あまり熱いものは食べない
- 食品のカビに注意する
- 日光で肌を焼くことに注意する
- 過労しないようにする
- 体を清潔に保つ
この12項目を頭の片隅においておこう。
100%でなくてもよいから、できるだけ実行するように心がけたい。
腹八分目に食べるということは、
もうちょっと食べたいなというところでやめるということだ。
動物に発ガン物質を与えた場合、
エサ(つまりは、カロリー)をたくさんやると
発ガン頻度が2倍に上がるそうだ。
また、アルコールとガンの相関ははっきりしないが、、
アルコール依存症にガンが多く見られることも確かだ。
喫煙者の中では、統計的に肺ガン患者が多いことははっきりしていて、
動物の皮膚にタバコタールを繰り返し塗ると、
皮膚がんが発生することが実証されている。
食生活について言うと、
植物繊維を多くとると大腸ガンの発生を予防するし、
塩分の過食は胃ガンの発生との関連があると同時に
高血圧や動脈硬化の原因となる。
またあまり焦げたものもよくないと言われている。
焦げた魚やでんぷん・砂糖などの焦げにも変異原性物質がある。
昔から若者には、肌を焼いて小麦色にすると、
かっこいいとという流行があるが、
紫外線を長時間浴びると、細胞の遺伝子が障害を受けるので注意したい。
「知らぬがほとけ」という言葉があるが、
これはガンを告知すべきか否かの問題は、長く論議を呼んでいる。
これはその人の性格とも関わりがあると思うが、非常に難しい問題だ。
ガンと告知されて、
自分の残り少ない人生を有意義に過ごせると思う人と、
もうダメだと逆に生きる力をなくし、食欲もなくなり体力も衰えていく人もいる。
しかし、これは健康で元気のある人の議論であって、
本当に体調が悪かったり、精神的に問題のある人にとっては、
前者のような理想的な考え方がもてるかどうかは、はなはだ疑問である。
2 元気の源は「ほどほど」の心がけ
これまであげた「ガン」をはじめとするいろいろな病気は、
いったんかかってしまうと、なかなか治りにくい。
こうした病気にならないためには、日頃から十分に注意が必要だ。
少しでもその兆候が現れはじめたら、すぐに専門医に診察してもらい、
マメに治療することである。
それと定期検診を怠らないこと。
仕事が忙しいからといって、
定期検診を受けないでいると、手遅れになってしまう。
30歳を過ぎたら、毎年、いや半年に1回定期検診を受けるべきだろう。
肉体的に健康でなければ、いかに楽しく人生を送ろうと考えても、
なんにもならない。
養生の道は、元気を保つことが根本である。
毎日家と仕事場だけで、ときどき赤ちょうちんに寄ったりする程度では、生活習慣病の元になる。
お酒も、仕事も、やり過ぎず、「ほどほど」を心がけよう。
忙しい毎日だと、こうした生活パターンに陥りがちなことは、
皆さんがよくご存じのとおりである。
ときにはしばらく会っていなかった旧友と飲みに行ったり食事をしたり、
少し毎日の生活に変化をつけるほうがいい。
「元気」とは、人間の活動の元になる活力、気力のことである。
「元気」をそこなう原因・害を取り去ることが、
養生の第一たる所以なのだ。
年を取れば取るほど、このことが実感されるだろう。
くれぐれも1年に1回は定期検診を受けることを忘れないように。
そして、医者の忠告は謙虚に聞くようにしたい。
3 今日の金言 斎藤 茂太(さいとう しげた)
人間の養生のもとは、精気・元気・鋭気の3つだと言われている。
この3つをそれぞれ辞書で調べると、
精気とは、万物が生じ発展する根本の気、また活動をつづける心身の根気。
元気とは活動のもとになる気力、またそれがあふれている感じであること。
鋭気とは、読んで字のごとく鋭く強い気性・気勢。
精気・元気・鋭気という3つの気力がバランスよく体内に満ち、
これらが常に循環し、意欲的な生活を送ることが、
もっとも人間にとって充実しているときではないだろうかと思う。
ガンにかからない12項目をできるだけ実行し、
何事も「ほどほど」を心がけるようにする。
そして、毎日持続できる程度の運動をしたり、ときには、
新しいことに挑戦して、新鮮な気力を注入することも大切です。
さあ、健康で元気な心と体を、まだまだつくっていきましょう。
出典 『「もう疲れた」と思ったときに読む本』 斎藤 茂太(さいとう しげた) 発行所 実業之日本社 画像はヤフー検索から