出典:画像 がんと診断されたあなたに知ってほしいこと 国立がん研究センター
今日は、オザビエル(私)が、
NHKガッテン!2019年11-12月号 (発売日2019年10月16日)
総力特集「“がんにならない”ワザ、なっても人生を楽しむ知恵」から学んだ
実践していきたい
「幸齢者mind」をお届けします。
何千人もの「がんに影響を受ける人」を支える看護師、
〝日本のナイチンゲール〟秋山正子さんに聞く!
目次
1 発覚後、独りぼっちだと感じる人はとても多い
日進月歩でがん医療は発展し、たとえステージ4で発見されたとしても、
治療がよく効いて何年も生きられることも。
しかし、「がん=死」のイメージはいまだに拭いきれず、
がんと診断されると、だれもが心を大きく揺さぶられます。
看護師として長年にわたり、
がんとともに生きる人の支援を続けている秋山さんは、
「告知後、自分を心配してくれる人が周りにいても、
独りぼっちになったと感じる人はとても多いです」
と明かします。
そして、これからの自分の身にどんなことが起こってくるのか
見通しがたたないため、
身の置きどころのない不安や焦燥感に駆られたり、
どうしたらいいのかわからない、
モヤモヤとした状態に陥ったりするといいます。
「まさにそれはがんに心まで支配される
〝I am cancer (私のすべてががん)〟の状態にほかなりません。
〝I have a cancer(私にはがんがある)〟の状態が真実であり、
がんになったとしても自分らしさはかわらないはずですが、
長らく不治の病として君臨し、
人々を恐怖に落とし入れてきたがんには
〝I am cancer〟だと錯覚させるだけの威力があるのです」
(秋山さん。以下同)
2 一人で抱え込まず、だれかに話すことが大切
しかし、がんと向き合い、納得したうえで治療を受けるには、
自身の身に起きていることを
冷静に見つめて適正に判断することが欠かせません。
それには、モヤモヤとした状態から抜け出し、
ふだんの自分を取り戻す必要があります。
「この世界で独りぼっちになってしまったようなつらい気持ちを、
一人で抱え込まないこと。だれかに話すことです」
その場合、悪い知らせを聞かされて動揺しやすい家族よりも、
信頼のおける友人や医療者のほうがいいかもしれません。
「かかりつけ医に話を聞いてもらって、
気持ちの整理がついたという方もいます」
相談支援の場として機能するマギーズ東京でも、
このようながんになった人の孤独な気持ちに寄り添います。
「たとえば、身内をがんで亡くした人は、
そのときの恐怖体験から、話さないと気持ちがほぐれず、
自分のがんと向かい合うことができません。
モヤモヤとした中にも、一人ひとりの物語があり、
それをだれかに受け止めてもらうことが、
自分らしさを取り戻す第一歩になるのです」
マギーズ東京のスタッフは、
木材がふんだんに使われ、家庭的であたたかみのある空間の中、
来訪者と横並びに座り、その人が話し始めるのをじっと待ちます。
そして、治療以外のどんな話をしても受け止め、
共感することを大事にしています。
3 自分を取り戻せる場所を、がんになる前に探しておく
モヤモヤした状態で、
とりとめのない話をしても耳を傾けてくれるマギーズ東京のような場所が
今、各地で開設されています。
これは、がんになる前に知っておきたい情報の1つです。
不安や孤独を抱え込まないためにも、ぜひ活用してください。
最後に秋山さんは、こんなアドバイスもします。
「治療を優先し、仕事や生きがいをあきらめてしまう人がいます。
しかし、がんと共存しながら生きることが、
当たり前になってきたからこそ、
自分の尊厳にかかわること(生きがい、夢、仕事など)は、
簡単に捨ててはいけません。
これも自分らしさを見失わないために大切なことです」