目次
1 高齢社会を支えるもの
わが国は、世界でもトップクラスの長寿を実現しましたが、既に4人に1人が高齢者という少子高齢社会です。2060年には、5人に2人が高齢者となり、人口も 9,000 万人を割ると見込まれています。少子高齢化・人口減少は、わが国の経済社会に様々な影響を及ぼす非常に重要な問題です。(出典 厚生労働白書 平成28年度版 厚生労働省)
公的年金制度は、いま働いている世代(現役世代)が支払った保険料を仕送りのように高齢者などの年金給付に充てるという「世代と世代の支え合い」という考え方(これを賦課方式といいます)を基本とした財政方式で運営されています。(出典 「公的年金制度はどのような仕組みなの?」厚生労働省)
現在の公的年金制度には、少子高齢化の進行を見据えて、将来にわたって、制度を持続的で安心できるものとするための年金財政の仕組みを導入しています。
具体的には、保険料水準を固定し、マクロで見た給付と負担の変動に応じて給付水準を自動的に調整する仕組み(マクロ経済スライド)を導入しています。これにより、少子高齢化が進行しても、現役世代の負担が過大になることを防いでいます。この仕組みを機能させ、およそ100年間という長期にわたって給付と負担のバランスが取れていることを、少なくとも5年に1度、確認を行う(財政検証)ことで、中長期的に持続可能な運営を図る仕組みとなっています。(出典 「少子高齢化にどのように対応しているの?」厚生労働省)
2 介護保険制度の導入
- 【背景】
○ 高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大。
○ 一方、核家族化の進行、介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化。
○ 従来の老人福祉・老人医療制度による対応には限界。
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高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み(介護保険)を創設
1997年 介護保険法成立、2000年 介護保険法施行
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対象 40歳以上のすべての方
保険料の負担 40歳から支払いが発生
保険の適用 要介護認定を受けた上で介護サービスを利用するとき
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- 【基本的な考え方】
○ 自立支援 …… 単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを超えて、高齢者の自立を支援することを理念とする。
○ 利用者本位 …… 利用者の選択により、多様な主体から保健医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる制度
○ 社会保険方式 …… 給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用
(出典 「介護保険とは」厚生労働省)
さあ、基礎・基本の用語をしっかり覚えましょう。
◎ 基礎・基本の用語
〇 少子高齢社会(しょうしこうれいしゃかい)- 年少人口(0〜14 歳)が少なく,高齢者(65 歳以上)が占める割合が大きい社会
〇 公的年金制度(こうてきねんきんせいど)- いま働いている世代(現役世代)が支払った保険料を仕送りのように高齢者などの年金給付に充てるという制度
〇 介護保険(かいごほけん)- 老化や疾病により介護の必要性が認定されると、介護サービスを受けるための費用に保険が適用される。40歳から介護保険の被保険者となり、保険料の支払いが発生する。
〇に当てはまる数字を次から選びなさい。
☆ ふり返り
◇ ①~⑤に当てはまる言葉を答えなさい。
1 (①)とは、年少人口(0〜14 歳)が少なく,高齢者(65 歳以上)が占める割合が大きい社会のことです。
2 (②)とは、いま働いている世代(現役世代)が支払った保険料を仕送りのように高齢者などの年金給付に充てるという制度です。
3 (③)とは、老化や疾病により介護の必要性が認定されると、介護サービスを受けるための費用に適用される保険です。
💮 答え
① 少子高齢社会(しょうしこうれいしゃかい)
② 公的年金制度(こうてきねんきんせいど)
③ 介護保険(かいごほけん)
公的年金制度は、将来にわたって、制度が持続的で安心できるものであってほしいですね。これで基礎学力バッチリです。