
為替相場(為替レート)は、外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率です。
一般に、わが国で最も頻繁に目にする為替相場は円・ドル相場ですが、そのほかにも様々な通貨の組み合わせに関する相場が存在します。
変動相場制においては、為替相場は、市場における需要と供給のバランスによって決まります。これは、物やサービスの価格が決まるのと同じ原理です。
2 円高と円安
円高とは、円の他通貨に対する相対的価値、言い換えると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のことです。
逆に、円安とは、円の他通貨に対する相対的価値(円1単位で交換できる他通貨の単位数)が相対的に少ない状態のことです。
例えば、日本人が旅先のハワイで買い物をするため、手元にある1万円をドルに両替するとします。
為替相場が1ドル=100円であれば、1万を100で割った100ドルになります。
しかし、もし為替相場が1ドル=80円であれば、1万を80で割った125ドルになり、
また、1ドル=125円であれば、1万を125で割った80ドルになります。
これらを比べると、1ドル=80円の場合は、1ドル=100円の場合と比べて、同じ金額の円についてより多くのドルを取得できるので、円高ということになります。
逆に、1ドル=125円の場合は、1ドル=100円の場合と比べて、同じ金額の円についてより少ないドルしか取得できないので、円安ということになります。
3 産業の空洞化
企業が工場を海外に移転することによって、製造業が衰退していく現象を産業の空洞化と言います。
いまの産業空洞化は、円高が最大の原因となっています。
♢ 円高・円安のどちらが有利?
円高 | 円安 | |
海外旅行 | お得 | 損する |
輸入 | 有利 | 不利 |
輸出 | 不利 | 有利 |

◎ 基礎・基本の用語
〇 為替相場(かわせそうば)- 外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率
〇 円高(えんだか)- 円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のこと
〇 円安(えんやす)- 円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に少ない状態のこと
〇 産業の空洞化(さんぎょうのくうどうか)- 企業が工場を海外に移転することによって、製造業が衰退していく現象
A 1ドル = 120円が1ドル = 160円になった。
B 1ドル = 120円が1ドル = 90円になった。
☆ ふり返り
◇ ①~⑤に当てはまる言葉を答えなさい。
1 (①)は、外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率です。
2 (②)とは、円の他通貨に対する相対的価値、言い換えると、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態のことです。
3 (③)とは、円の他通貨に対する相対的価値(円1単位で交換できる他通貨の単位数)が相対的に少ない状態のことです。
4 企業が工場を海外に移転することによって、製造業が衰退していく現象を(④)と言います。
💮 答え
A 1ドル = 120円が1ドル = 160円になった。
B 1ドル = 120円が1ドル = 90円になった。
答え B
