
目次
1 今日のパワーメンターと著書

今日は、オザビエル(私)が、
ハーバード大学で教育を受け、
組織行動論で心理学の博士号を取得した心理学者
タル・ベン・シャハーさんの著書
『ハーバードの人生を変える授業』から学んだ
世界最高学府の学生たちを最も熱狂させた
「授業」をお届けします。
2 いざこざは避けられないもの

カップルは、つき合いの初めの時期や、ハネムーン、新婚時代など、
関係が始まったころには、争いごとはあまりありません。
しかし、つき合いが長くなればなるほど、
ふたりの間に軋轢が生まれます。
たいていの人は、軋轢があるのは、
ふたりの関係そのものに問題があるからだと解釈します。
いざこざのない完全な調和、
それこそが私たちみなが追い求めなければならない
当たり前の姿だと思い込んでいます。
しかし実際には、いざこざは避けられないものであるだけでなく、
長期にわたる良好な関係にとって非常に重要なものです。
それはワクチンのようなものと言えます。
私たちは、極限まで弱めた病原菌を体の中に入れ、
悪性の症状に対処する抗体をつくりあげることによって、
病気に対する免疫をつくります。
同じように、ちいさな争いはふたりの関係を維持する能力を高め、
やがて関係が行き詰まったときにも、何とか対処できるような免疫力をつけてくれるものです。
3 ポジティブなことは、ネガティブなことより多くなくてはならない

長年にわたり、成功したカップルと失敗したカップルの関係について、
調査研究をしてきた心理学者ジョン・ゴットマンは、
長期にわたって良好な関係にあるカップルは、
ポジティブな関わりとネガティブな関わりの比が5対1であると指摘しています。
怒りや批判や敵意を表すといった行為が1の割合だとしたら、
互いに親切にする、共感を表す、関心や愛情を示すといった行為が5の割合だというのです。
この研究の重要なポイントは2つです。
1つは、ネガティブな関わりも重要だということ、
2つ目は、ポジティブなことは、ネガティブなことより多くなくてはならないということです。
カップルの関係に衝突がないとしたら、
それは、ふたりがお互いに重要な問題や相違に、
向き合っていないということです。
誰もが人として、またはカップルとして完璧ではありません。
衝突がないということは、挑戦を避けているということです。
そこから学ぼうとせず、
お互いに対峙しないようにしているだけなのです。
このように衝突は必要なものですが、
それと同時に冷たさや怒りが、思いやりや愛情より多くなってしまうと、
その関係は明らかに不健康なものとなってしまいます。
4 あなたパートナーに対して、非難の言葉より、ほめ言葉をたくさん伝えていますか。パートナーに対してもっと前向きのメッセージを送り、一緒にいることを楽しめるような行動をとれば、どんないいことがあると思いますか。(Think)

プレゼントをする(Action)
ゴットマンはカップルに対して、
「互いに相手から尊敬されようとか、受け入れてもらおうとするより、
ふたりの関係のいいところを強めるべきだ」
とアドバイスしています。
いいところを強めるとというのは、
大きな変化を必要とするものではありません。
アッカーマン家族療法研究所のピーター・フランケルは、
「60秒でできるちょっとした幸せのプレゼント」を提案しています。
カップルの関係を長続きさせるためには、
特別な行事や高価なプレゼントに頼るのではなく、
お互いに毎日最低3つの「ちょっとした幸せのプレゼント」をすればいいというのです。
情熱的なキス、クスッと笑えるような思いやりのある電子メール、
「愛してる」のひと言。
それらは、愛情を育むのに役立ちます。
心のこもったほめ言葉も、もちろん大切です。
ぜひ、
この「ちょっとした幸せのプレゼント」のリストを作ってみてください。
そしてこれから1週間、毎日、そのうちの少なくとも3つをパートナーに届けるようにしましょう。
毎日違ったものでも同じものでも構いませんが、
まずは1週間分を書き出してみてください。
5 オザビエルの願い

今日の学びは、
- カップルのいざこざは避けられないものであるだけでなく、長期にわたる良好な関係にとって非常に重要なもの。
- 長期にわたって良好な関係にあるカップルは、ポジティブな関わり(互いに親切にする、共感を表す、関心や愛情を示すといった行為)とネガティブな関わり(怒りや批判や敵意を表すといった行為)の比が5対1である。
- カップルの関係を長続きさせるためには、お互いに毎日最低3つの「ちょっとした幸せのプレゼント」をすればいい。
オザビエル(私)たちも、45年以上一緒にいますが、改めて、
「パートナーに対して、非難の言葉より、ほめ言葉をたくさん伝えること」が大切であると教えていただきました。
これからも、毎日、感謝の気持ちを伝えたいと思います。
出典 『ハーバードの人生を変える授業』 筆者 タル・ベン・シャハー 訳者 成瀬 まゆみ 発行所 大和書房 画像はYahoo検索から