目次
始めに 今日のパワーメンターと著書
今日は、オザビエル(私)が、
エディー・ジョーンズ ラグビー元日本代表ヘッドコーチと
持田 昌典(もちだ まさのり)ゴールドマン・サックス(投資銀行、証券、資産管理など)社長が教える
『勝つための準備』から学んだ
勝利を引き寄せる
「パワーフレーズ」をお届けします。
第1章 人は仕事で成長する
🏈 テクニックとスキルは、何が違うか
テクニックは、最も狭い意味での技術です。
一方スキルは、その技術を正しい状況で活かせる能力のことです。
ラグビーでいうと、テクニックとは単にパスやスローがうまいこと。そして、パスやスローのタイミングを決めることが、スキルです。
つまり、スキルというのは、どのタイミングで動き、それがどういう結果をもたらすかを理解したうえでとる行動のことなのです。知性と感性が問われる、クリエイティブな行動といえます。
常に考えること、次の状況を予測し、自ら判断をすること。これを習慣としてしっかり身につけるべきです。
🏈 敗者を持ち上げてはいけない
日本には、敗者を変に持ち上げる傾向があると思います。
「善戦」や「惜敗」などという言葉が持つニュアンスがそうですし、そのような負け方をした選手やチームを、
「よく頑張った」
と慰め、持ち上げます。
しかし、どれほど頑張っても負けは負けです。そこを冷静に見つめて分析し、次に備えなければなりません。
敗者を持ち上げる空気が支配的になると、冷静な分析はどうしてもおろそかになります。
その結果、次もまた、負ける確率を高めてしまうのです。
🏈 自信をつけるためには、努力しかない
よく自信が持てないという人がいますが、理由は簡単です。準備不足なのです。
自信を持つ方法は、実に簡単です。準備と努力を重ねればいいのです。
準備や努力とは、貯金のようなものです。すればするほど、自信という貯えは増えていきます。
努力をせずに、自信がないと嘆いてもね仕方ありません。嘆いている暇があれば、努力をすればいい。そうすればいつの間にか、想像以上の自信がつき、見たことのない風景が見え始めます。
🏈 人間の可能性には限界などない
私は長年ラグビーに深くかかわって、人間の可能性には限界がないということを実感しています。
限界を感じながら生きる人生と、限界など存在しないことを感じながら生きる人生には、大きな差があるように思います。
私は後者の人生を生きていけることに、最高の幸福を感じます。
ただ、限界がないとは、常に学び続けることにほかならないのです。
学習し続けることによって、人は成長します。何十年とかかわってきても、このあたりでもう学び尽くしたということがありません。
第2章 変化なきところに進歩はない
🏈 自分を変えるチャンスを逃さない
今よりよくなるとは、今の自分を変えることにほかなりません。
自分を変えることは、非常に困難で、つらいことです。
自分を変えるためには、自分を見つめ直し、改善していかなければなりません。
成長における変化は、緩慢でもあります。突然、天から降ってくるような劇的なものを期待すべきではないと思います。
🏈 大きなチャンスは、大きなリスクの中にある
何かを大きく変える時、誰しも躊躇すると思います。
しかし実際は、そこには何の障害もないのです。あるとすれば、それは自分の心の中にあるに過ぎないのです。
そのことに気づいた時、人は勝利や成功への着実な一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
🏈 夢を持つな。目標を持て
「夢を持とう」に違和感を覚えます。その違和感は二点あります。
一点目は、夢という言葉が持つ、非現実性。
二点目は、それがたった一つのものという意味合いが強いこと。
目標は、今の私たちに強く働きかけ、力を呼び起こしますが、夢はそのような作用に乏しいと思います。
🏈 信頼とは相手に責任を持たせること
信頼するとは、責任を持ってもらうということです。アシスタントコーチやスタッフには、きず自分の仕事をきちんとしてもらいます。そしてその仕事によって、チームが正しい方向に進むことに寄与してもらいます。
第3章 勝利の条件
🏈 結果を出したいなら、腹をくくれ
本当に結果を出したいと思うなら、非常にシンプルなことしかいりません。それは、「必ず勝つ」という心構えを決めること。それ以外には何もいらないと言っていいと思います。
要は腹をくくることです。
腹をくくった人は、いつも熱意の炎が燃えています。地に足がついて、必要な準備に取り組み、着々と勝利に近づいていくのです。
🏈 勝つと信じることから、すべてが始まる
私がコーチとして選手たちに課すテーマはただ一つ。それは自分たちは必ず勝つと信じることです。
人間の力のうち、信じる力ほど強いものはありません。それは潜在意識を呼び覚まし、その人の能力をどんどん高めていきます。当初は不可能に思えたことも、可能にします。
🏈 合理性を追求しなければ、勝利はない
私は、勝利や成功は、合理性を追求した結果としてあるものだと考えています。
日本のビジネスでありがちなブラック労働や、スポーツの現場でよくあるしごきのような非合理的なものは、勝利や成功とは何の関係もありません。
🏈 軍隊式の訓練は、今すぐやめるべき
厳しい状況に置かれた時、選手にとって大切なことは忍耐力です。耐え抜き、解決策を見出し、それを実行して結果を出す。これがいい選手の条件だと私は思います。
みんな同じ服を着て、同じトレーニングをして、とにかくすべてが同じであるべきと思っている。まるで、軍隊の訓練のようです。選手は、能力も性格も一人一人違います。
第4章 人間力の磨き方
🏈 お金だけを目的にすると、何かが狂う
お金というものは、あくまで結果だと思います。
生産性を高めた人や成果を挙げた人に、いい評価を与えるのは当然です。それに見合った報酬を出すべきです。
🏈 運動部の練習時間は、厳しい制限を受けるべき
アメリカの大学では、運動部の練習時間に、厳しい制限をかけています。それはもちろん学業がおろそかにならないための措置です。これが文明国におけるスポーツの、あるべき姿だと思っています。
🏈 「好かれること」と「信頼」はまったく別のもの
リーダーの仕事とは、さまざまな事柄や場面で、最良の選択をすることなのです。
人事における選択や判断には、必ず客観性がなければなりません。
🏈 努力しない人間ほど「運」を言いたがる
よく、勝敗は時の運といいます。
一方で、間違いなく言えるのは、ある目的に向け、しっかり準備をしないと、運も向いてこないということです。
成功している人を見て、「運がいい」と言う人は、あまり努力をしてこなかった人だと、私は思います。
誰も、ずっと成功し続けることなどできません。どんな強いチームでも、毎回勝つとは限りません。
勝てない、つらい時は、チームの能力を生かしきれていない時であり、リーダーとしての指導力が足りない時です。
リーダーが考えるべきことは、できるだけ早く、そこから抜け出すことです。そのため、落胆せず、冷静になり、負の要因を分析して、一つ一つ解消していくことだと思います。
第5章 最後の詰めで勝敗は決まる
🏈 低調な時は、インパクトのある人選を
組織の強固な性質や、低調なムードを変えたい時は、インパクトのある人選をすべきだと思います。
そこから流れががらりと変わり、チームがいい方向に向かい始めるのは、よくあることだからです。
🏈 人を見る目を養うには、経験しかない
人を見極める際、最終的に決め手になるのはね自信です。自分の能力に自信のある人には、どことなく風格があります。私はそこをポイントに置いています。
🏈 模倣をやめなければ、本当に強くはなれない
あらゆる物事は、模倣から始まります。しかし、ずっとそのままで言い訳ではありません。
どこかで自分たち独自のやり方を打ち出し、それを練り上げていかなければなりません。
そのプロセスにおいて、真の強さは育まれます。
🏈 ピンチは視点を変えれば、チャンスにもなる
ラグビーに負傷はつきものです。それで戦線を離脱する選手が何人いようと、私はストレスを感じたことはありません。
ある条件のもと、そのチームの力を最大限に発揮するにはどうすればいいかというのが、私の関心事であり、仕事だからです。
私の考え方に
「コントロールできることだけ考える。コントロールできないことは、放っておく」
というのがあります。
あらゆるストレスは、コントロールできないことを考えるところから、生じます。これほど無意味なことはありません。
🏈 すべてを知り尽くしたと思うときが、一番危ない
リオ・オリンピックで、金メダルに輝いた女子ホッケーのイギリス代表のコーチ陣の共有事項
- 指導する際、命令や恫喝をすべきではない
- 気づきを与えるようにしなければ、決して選手は動かない
私も、自分がラグビーを極めたなどと思ったことはありません。これからも貪欲に学び続けようと思っています。
学びとは不思議なもので、やればやるほど、さらに楽しくなっていくものです。
終わりに オザビエルの願い
今回は、エディー・ジョーンズさんから学んだ
勝利を引き寄せる「パワーフレーズ」をお届けしました。
コーチングはアートである
エディー・ジョーンズ
- 「徹底的な準備」
- 「成功体験から来る自信」
- 「変化を恐れず挑戦する」
- 「成功するまで継続」
エディーさんの考え方には感銘を受けました。
是非、
勝つための準備を、それぞれの選手に納得のいくまでさせて
勝利をたくさん引き寄せていただきたいと思います。
出典 『勝つための準備』 エディー・ジョーンズ / 持田 昌典(もちだ まさのり) 発行所 講談社 画像はヤフー検索から