284　人の夢をかなえる具体的な方法

潜在意識に夢を引き渡すためには、

まず、夢を子こ守歌もりうたのように唱え、暗示として潜在意識に送り込むこと

が重要となってきます。

その一環として、マーフィー博士が勧すすめているのが、

単語を呪文じゅもんのように唱える方法です。

たとえば、脱だつサラして行列のできるイタリアン・レストランを開業したいのであれば、

「脱サラ。開業」あるいは「繁盛店はんじょうてん」

という単語を唱えても構いません。

とにかく、その単語を発したとき、瞬時に夢をイメージできるようにしておくのです。

どうしてこの方法が有効なのでしょうか？

これについて、マーフィー博士は次のように述べています。

「あなたが口にする単語は、あなたの夢を凝縮ぎょうしゅくしているからです。

つまり、そういう単語を口ぐせのように唱えていると、

単語の本質や性質に応じた状態や環境が、

あなたの生活の中に現れてくるのです」

要するに、夢を象徴した単語を唱え続けていると、

その人の心の中で夢を思う気持ちが拡大し、

それが想念となって潜在意識にインプットされるため、

潜在意識もその人の夢をかなえようと作動を開始するようになるというのです。

続いて、マーフィー博士が勧めているのが、

20世紀前半に活躍したフランスの心理療法家シャルル・ボードワン博士が編み出したボードワン法です。

これは、夢を簡単な記憶しやすい言葉にまとめ、うつらうつらした状態やリラックスしているときに唱えるというもので、

その効用について、マーフィー博士は次のように述べています。

「あくまでくつろいだ状態のときに、夢を暗示のように唱えると、

理性が盛んに活動している通常のときよりも、

はるかに強い想念を潜在意識に送り込むことが可能になります」

やり方もいたって簡単です。

今、述べたように、うつらうつらしているときや

リラックスしてくつろいでいるときに、

椅子やソファなどに腰掛け、軽く目を閉じ、

ひたいのシワを伸ばし、口元をゆるめます。

そして、息を吸い込んで数秒止めてから、

ゆっくりと行きを吐いていく動作を繰り返します。

この呼吸のリズムに合わせて吐くときに、

夢を、次のように簡潔な言葉で唱えるようにするのです。

「セールスが順調に伸びる。セールスが順調に伸びる……」

「お店の売り上げが倍増する。お店の売れ上げが倍増する……」

「事業が発展する。事業が発展する……」

このとき、大切なのは、息を吸うとき、

ポジティブなパワーを吸収しているというイメージを抱くこと。

そのイメージに合わせて息を吸い、

思いを潜在意識の中に送り込むようにするのです。

夜、寝る前はもちろんのこと、仕事の合間や休憩時間を利用して、

このボードワン法を行うだけでも、

かなりの想念を潜在意識にインプットすることになります。

これを機会に行ってみることをお勧めします。

次に、今述べた２つの方法と併用へいようして、

歩ほ行こう呪文法を取り入れると、効果はさらに高まります。

歩行呪文法とは端的たんてきに言ってしまうと、

歩くリズムに合わせて、夢を呪文のように唱える方法のことを言います。

たとえば、あなたに

「脱サラして自分のお店を持ちたい」という夢があったとしたら、

「脱サラ。開業」という言葉を

①だつ。②さら。③かい。④ぎょう。

４拍で数え、道を歩くとき、この言葉を足の運びに

①②③④と合わせて、頭の中で唱えるようにするのです。

この方法は、いったんリズムに乗ってしまえば、

無意識に、その言葉を呪文のように唱え続けられる

というメリットがあります。

マーフィー博士も

「人間は歩いているとき、マイナスの感情がこみ上げてくるときがあるので、その防止策としても最適です」

とその効用を認めています。

唱える言葉は、夢の内容と照らし合わせながら、

リズムの良さそうなものを以下の要領で作成してみるといいと思います。

ただ、慣れるまでは２～３個くらいに絞しぼったほうがいいかもしれません。

月収百万（①げっ。②しゅう。③ひゃく。④まん。）

ロンドン留学（①ろん。②どん。③りゅう。④がく。）