280　不治の病も治すルルドの泉

医者から見放された不治ふじの病が、祈りや霊能力によって、

完かん治ちしたという話を耳にしますが、

マーフィー博士は、フランスのルルド地方にある泉には

それとまったく同じ効果あるというのです。

そのことを示す好例として、マーフィー博士はある婦人をよく引き合いに出しています。

その婦人はあるとき、突然、激しい頭痛とめまいに襲われ、目が見えなくなってしまいました。

医師は、視神経が麻痺まひしたため、目が見えなくなったと診断したのですが、完治は不可能で、一生盲目もうもくのままだというのです。

しかし、ルルドの泉に行き、身体を洗い清めたところ、奇跡が起こりました。

瞬く間に視力が回復し、数百メートル先にある景け色しきまで見渡せるようになったのです。

ちなみに、ルルドの泉の近くにあるカトリック教会の調査によれば、

この種の報告は5000件以上に達し、

そのうち、現代医学で解明できないものが100件近くあるといいます。

では、これはまさしく神しん癒ゆなのでしょうか？

このことについてマーフィー博士は次のような見解を述べています。

「ルルドの泉に入って病気が治った人は、ルルドの水によって癒いやされたのではなく、その人たちの潜在意識によって癒されたのです。

『この泉で身体を洗い清めれば、必ず病気が治る』という信仰心が暗示となって、潜在意識に強烈な働きかけをしたのです。潜在意識はその呼び声に応えたに過ぎません」

潜在意識は人を生かす力がある……。

もしこれが本当だとしたら、私たちは潜在意識に対して、

大いなる安心感と希望を見出すことができます。

「私は必ずこうなる」と信じ続ければ、潜在意識の力によって、

望ましい結果を現象として引き起こすことが可能になるからです。

この心理に目覚めれば、人は願望もお金も健康も思いのままに操あやつることが可能になるのです。