目次
1 今日のパワーメンターと著書
今日は、オザビエル(私)が、
精神科医・医学博士
斎藤 茂太(さいとう しげた)さんの著書
『「こころの掃除」術』から学んだ
「幸福な人生だったな」と思えるようになる
「パワーフレーズ」をお届けします。
2 忘れる能力がありがたい
毎日、日記をつけている主婦が、あるとき亭主と大ゲンカをし、
あまりの腹立ちように、
「このことだけは、書いておかなくても一生忘れない」
と思い、日記に書かなかった。
ところが数年後、ふとそのケンカのことを思い出したが、
いったい何が原因であのような大ゲンカになったのか、
さっぱり思い出せなかったという。
その程度の原因だったという考えもあるだろう。
また、イヤなケンカを思い出したくないために、
記憶を隠蔽してしまったのかもしれない。
どちらにせよ、人間は忘れる動物である。
これは、実に便利な能力だ。
学生の頃には、試験前に「なぜ人間は忘れる動物なのか」
と嘆いたこともあるだろうが、
今となってみれば、忘れる能力がありがたい。
イヤなことがあっても、翌日には忘れられる。
腹立たしいことがあっても、いつまでも覚えているものではない。
年をとると、だんだん物忘れにも拍車がかかってくるが、
これがまた素晴らしいメカニズムである。
年をとると、昔のイヤなことはみんな忘れてしまい、
「まあ、なんだかんだと言っても、幸福な人生だったな」
と思えるようになる。
うまくできているではないか。
家の掃除をするとき、自分の好きな物は残して、要らない物は捨てる。
記憶も、好きなものを残して、気にいらないものは、
どんどん捨てていけばいいのだ。
あらゆる物をとっておいたら、部屋がゴミ箱になってしまう。
捨て上手な人の家は、きれいに整頓され、住む人も心地よい。
記憶も捨て上手になれば、快適に過ごせる。
3 どんどん新しいものを取り入れる
「私は記憶力がすばらしくよくて、なかなかイヤなことが忘れられない」
と言う人は、新しい体験をどんどん積んでいこう。
新しいことがないと、
古い記憶を引っ張り出してきては、反芻することになる。
イヤな思い出を反芻していても、不愉快なだけだ。
新しいことを仕入れると、
それに伴って古い記憶が奥にしまわれ、薄れていく。
コップに古い水がよどんでいるときも、新しい水をどんどん入れれば、
古い水はあふれて、新しい水と入れ替わっていく。
いくら忘れようとがんばってもうまくいかないときは、
どんどん新しいものを取り入れるのが効果的だ。
4 オザビエルの願い
オザビエル(私)も、なかなかイヤなことが忘れられない。
新しい体験をどんどん積んでいき、イヤな思い出を忘れていきたい。
そして「まあ、なんだかんだと言っても、幸福な人生だったな」
と言って、順番通りに、静かに両親のもとへ行きたい。
出典 『「こころの掃除」術』 斎藤 茂太(さいとう しげた) 発行所 新講社 画像はヤフー検索から