目次
1 今日のパワーメンターと著書
今日は、オザビエル(私)が、
精神科医・医学博士
斎藤 茂太(さいとう しげた)さんの著書
『「こころの掃除」術』から学んだ
心を軽くする
「パワーフレーズ」をお届けします。
2 高度馴化
登山に「高度馴化」という言葉があるそうだ。
特に高い山では、平地に比べて、空気がかなり薄い。
その頂上まで、いくら体力があっても一気に登ってゆこうとすれば、
たちまち高山病にやられてしまう。
だから少しずつ高度を上げていって、環境に体を慣らしながら、
登っていくのだ。
社会に出て私たちが何かを「やり遂げる」ときに大切なのも、
この「身の周りの社会環境に気持ちを慣らす」ということのように思う。
学校を卒業して就職したとき、
この「環境に気持ちを慣らす」ことができないまま、仕事に没頭すると、
取り返しのつかない失敗をすることがある。
その失敗がトラウマになって、
そのまま何年間も「立ち直れない」ケースも少なくない。
この何年間かは「心のストレス」が重く、
「何であんな失敗をしたのか」と自分を責める。
私がここで言いたいことは、「社会馴化」ができていないと、
ひとつの失敗を長く引きずる、ということだ。
これを避けるために大切なのが、
就職したてのときは、まず職場の「しくみ」を観察し、
少しずつ「気持ちを慣らす」ことのように思う。
これだけで失敗は少なくなり、もし失敗したとしても、
「次は大丈夫」と思えるだろう。
この「次は大丈夫」という感触を得ることが、
「慣れてきた」という、ひとつの基準になる。
3 自分が置かれた環境に慣れる
最近の若い人は、よく「ひ弱になった」と言われる。
「こんなことぐらいで、こんなにヘナヘナになるなんて」
と首をかしげたくなる若者も確かにいる。
けれども、この「ひ弱」の意味は「精神的に弱くなった」というよりも、
単に「挫折すること、失敗することに慣れていない」だけのことではないだろうか。
慣れていないから、ちょっとした挫折に出合うと、
どうしていいのか見当がつかなくなり、絶望感にとらわれて、
自分を責めるといったほうに向かいがちだ。
まずは「自分が置かれた環境に慣れる」ことを心がけてほしい。
職場の習慣や仕事の手順、空気を察する力も必要だろうが、
そういう環境の中にいる自分を自覚してこそ、
自分を見失わないで、いられると思うのだ。
最初から張り切ることはない。
「少しずつ慣れる」のがいい。
失敗しても「次は大丈夫」と思えれば、もう失敗も怖くないだろう。
それが「心を軽くする」方法だ。
4 オザビエルの願い
自分が置かれた環境に慣れる。
少しずつ慣れる、失敗しても「次は大丈夫」と思う。
最初から張り切って「うまくやろう」と思うよりは、
少しずつ慣れていこう、という気持ちでやっていくのがいいようです。
「高度馴化」「社会馴化」は、人の心を軽くする、いい方法です。
どうか、希望した職業が「天職」になるよう、
少しずつ、前進してください。
出典 『「こころの掃除」術』 斎藤 茂太(さいとう しげた) 発行所 新講社 画像はヤフー検索から