人間らしい生活を営む権利をわかりやすく解説します。
目次
1 社会権とは
社会権とは、国に対して人が人間らしい生活を求める権利です。
日本国憲法も、生存権、教育を受ける権利、勤労の権利、労働基本権を保障しています。
2 生存権
日本国憲法第25条は、「国民には生存権があり、国家には生活保障の義務がある」 と、規定しています。
【第25条】生存権、国の社会的使命
① すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
→ この規定に基づいて、わが国は、社会保障制度を充実させてきました。
3 教育を受ける権利
日本国憲法は、国民に教育を受ける権利を保障しています。
【第26条】教育を受ける権利
① すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
4 勤労の権利
日本国憲法は、すべての人に働く機会をあたえること(勤労の権利)を国の任務としています。
【第27条】勤労の権利
① すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
5 労働基本権
日本国憲法は、勤労者の権利として労働基本権(ろうどうきほんけん)(労働三権)を保障しています。
【第28条】勤労者の団結権
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
労働基本権(労働三権)とは、
- 団結権 = 労働者が団結して労働組合をつくること
- 団体交渉権 = 使用者と対等な立場で労働条件について交渉すること
- 団体行動権(争議権)= その要求を実現のためにストライキなど団体行動をすること
さあ、基礎・基本の用語をしっかり覚えましょう。
◎ 基礎・基本の用語
〇 社会権(しゃかいけん)- 国に対して人が人間らしい生活を求める権利
〇 生存権(せいぞんけん)- 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利
〇 教育を受ける権利 - その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利
〇 勤労の権利(きんろうのけんり)- すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ
〇 労働基本権(ろうどうきほんけん)- 勤労者の権利(労働三権)
A 自由権 B 平等権 C 社会権 D 自己決定権
☆ ふり返り
◇ ①~⑤に当てはまる言葉を答えなさい。
1 (①)とは、国に対して人が人間らしい生活を求める権利のことです。
2 (②)とは、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利のことです。
3 (③)とは、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利のことです。
4 すべて国民は、(④)の権利を有し、義務を負ふ。【第27条】
5 (⑤)とは、勤労者の権利(労働三権)のことです。
💮 答え
① 社会権(しゃかいけん)
② 生存権(せいぞんけん)
③ 教育を受ける権利
④ 勤労の権利(きんろうのけんり)
⑤ 労働基本権(ろうどうきほんけん)
A 自由権 B 平等権 C 社会権 D 自己決定権
答え C 社会権
これで基礎学力バッチリです。