不当な差別はあってはならないをわかりやすく解説します。
目次
1 部落差別
部落差別(同和問題)は、日本社会の歴史的過程で形作られた身分差別により、日本国民の一部の人々が、長い間、経済的、社会的、文化的に低い状態に置かれることを強いられ、同和地区と呼ばれる地域の出身者であることなどを理由に結婚を反対されたり、就職などの日常生活の上で差別を受けたりするなどしている、我が国固有の人権問題です。
1965年 同和対策審議会(1960(昭和35)年に総理府の附属機関として設置された)の答申が政府に提出された。
= 早急の解決が国の責務であり、国民の課題である
→ 国は、同和対策事業特別措置法を制定するなど、さまざまな取り組みを実施してきた。
2 アイヌの人々への差別
アイヌの人々は、固有の言語や伝統的な儀式・祭事、ユカラなどの多くの口承文芸等、独自の豊かな文化を持っていますが、近世以降のいわゆる同化政策等により、今日では、その文化の十分な保存・伝承が図られているとは言い難い状況にあります。
1997年 「アイヌ文化振興法」を制定した。
= アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与すること。
2008年 「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を国会で採択した。
3 韓国・朝鮮の人々への差別
現在日本に居住する在日外国人の中で、そのほとんどの割合を占めるのが在日韓国人であり、67万在日韓国人のうち85%以上の人々が、日本生まれの2世・3世である。
彼らは、日本国民と同じ環境のもとで同じ義務を果たして生活しているが、現状は、日本国民と同じ権利を享受することは許されていない。在日韓国人に対する差別は、残念なことにまだまだ根強いものがある。
特に行政上における差別は、ここ数年来わずかながら改善されてきたとはいえ、在日韓国人の生活を安定させるものとは言い難い。
日本で居住せざるを得なかった彼らの特殊な歴史的背景に鑑み、政府は在日韓国人の居留上における権利確立のための諸施策を、更に推し進める必要があると考えられる。
※ 出典 在日韓国人に対する行政差別に関する質問主意書 昭和57年3月25日提出 衆議院 から
ヘイトスピーチ = 特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動
さあ、基礎・基本の用語をしっかり覚えましょう。
◎ 基礎・基本の用語
〇 部落差別(ぶらくさべつ)- 同和地区と呼ばれる地域の出身者であることなどを理由に結婚を反対されたり、就職などの日常生活の上で差別を受けたりするなどしている、我が国固有の人権問題
〇 アイヌの人々 - 北海道を中心に先住していた民族であり、固有の言語や伝統的な生活習慣等、独自の豊かな文化をもった民族
〇 ヘイトスピーチ - 特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり、危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動
A LGBTQ+ B SDGs C オリンピック D 万国博覧会
※ 出典 佐賀市 人権クイズ から作成
☆ ふり返り
◇ ①~③に当てはまる言葉を答えなさい。
1 (①)とは、同和地区と呼ばれる地域の出身者であることなどを理由に結婚を反対されたり、就職などの日常生活の上で差別を受けたりするなどしている、我が国固有の人権問題のことを指します。
2 (②)民族とは、北海道を中心に先住していた民族であり、固有の言語や伝統的な生活習慣等、独自の豊かな文化をもった民族のことを指します。
3 (③)とは、特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり、危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動を指します。
💮 答え
① 部落差別(ぶらくさべつ)
② アイヌ民族
③ ヘイトスピーチ
これで基礎学力バッチリです。