🌸 15分集中して身近な生活の場面について考えてみましょう!
安心して働ける社会をわかりやすく解説します。
目次
1 変化する日本の雇用
日本では、大企業を中心に「長期雇用・終身雇用」やいわゆる「年功賃金」という企業の雇用慣行がみられます。
しかし、経済のグローバル化による激しい競争や産業構造の変化、さらに労働者の高齢化などにともなって、雇用や賃金のあり方を見直す企業が増えてきました。
企業は、人件費を節約するために、長く雇うほど賃金が上がる正社員の採用を減らし、パートタイムなどの非正規雇用を増やすようになりました。
さらに、労働者の能力や成果を賃金に反映させるシステム(成果主義)をとる企業も現れました。
労働者の意識も変わって転職がめずらしいことではなくなり、企業も中途採用を受け入れるなど、雇用の形態は大きく変化してきました。
2 増加する非正規雇用者
正規雇用者は、雇い主である企業と直接の安定的な契約関係にある雇用者です。
これに対して非正規雇用者は、パート、アルバイト、労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員・嘱託など様々な雇用形態を含み、正規雇用者に比べると契約上は不安定な環境にあることが多く、将来に不安をもつ人が多くいます。
厚生労働省では、非正規雇用労働者の雇用の安定や待遇の改善を図り、「頑張る人が報われる社会」の実現を目指しています。その取り組みの一つとして、キャリアアップ助成金の活用促進等により、非正規雇用労働者の正規雇用労働者への転換を推進しています。
3 外国人労働者
現在、日本には多くの外国人が在留し、企業等で働いたり、自ら起業したりしています。
外国人を雇用する企業では、現地の市場に詳しい外国人社員が海外展開で活躍したり、日本人と異なる発想で新商品を開発したりと業績に貢献するだけでなく、外国人社員の活躍に日本人社員も刺激を受け、新たな気付きや職場環境の改善、生産性の向上等の効果も表れています。
経済産業省近畿経済産業局では、外国人材を次のとおり区分しています。
1. 高度外国人材:大学・大学院等を卒業した研究者・エンジニア等の専門職、海外進出等を担当する営業職、役員や管理職等に従事する外国人材。
2. 特定技能外国人材:12の特定産業分野の企業に雇用される一定の専門性・技能を有する外国人材。
3. 技能実習生:厚生労働省の外国人技能実習制度を活用して受け入れる外国人研修生。
4 女性が抱える労働問題
厚生労働省の「令和4年版働く女性の実情」によると、女性の労働力人口は 3,096 万人と前年に比べ 16 万人増加し、男性は3,805 万人と 22 万人減少しました。
この結果、労働力人口総数に占める女性の割合は 44.9%(前年差 0.3 ポイント上昇)となりました。
また、女性の労働力率(15 歳以上人口に占める労働力人口の割合)は、54.2%(男性 71.4%)と前年に比べ 0.7 ポイント上昇しました。
女性雇用者について産業別にみると、もっとも多いのは、「医療,福祉」の 669 万人で、「卸売業,小売業」が 516 万人でこれに次いでいます。
職場においては、男女で業務内容や賃金に差をつけることなく、また、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等の様々なハラスメントのない環境づくりが求められています。
誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現に向けて、政府だけでなく、様々な企業が推進のための取組を行っています。
さあ、基礎・基本の用語をしっかり覚えましょう。
◎ 基礎・基本の用語
〇 終身雇用(しゅうしんこよう)- 正社員を定年まで雇用する制度
〇 成果主義(せいかしゅぎ)- 労働者の能力や成果を賃金に反映させるシステム
〇 正規雇用(せいきこよう)- 企業と直接の安定的な契約関係にある雇用者
〇 非正規雇用(ひせいきこよう)- パート、アルバイト、派遣社員など
〇 ワーク・ライフ・バランス - 仕事と生活の調和
A 約10% B 約25% C 約45%
☆ ふり返り
◇ ①~⑤に当てはまる言葉を答えなさい。
1 日本では、大企業を中心に「長期雇用・(①)」やいわゆる「年功賃金」という企業の雇用慣行がみられます。
2 労働者の能力や成果を賃金に反映させるシステム(②)をとる企業も現れました。
3 (③)者は、雇い主である企業と直接の安定的な契約関係にある雇用者です。
4 (④)者はパート、アルバイト、派遣社員など様々な雇用形態を含み、(③)者に比べると契約上は不安定な環境にあることが多い。
5 (⑤)とは「働くすべての方々が、『仕事』と育児や介護、趣味や学習、休養、地域活動といった『仕事以外の生活』との調和をとり、その両方を充実させる働き方・生き方」と定義されています。
💮 答え
① 終身雇用(しゅうしんこよう)
② 成果主義(せいかしゅぎ)
③ 正規雇用(せいきこよう)者
④ 非正規雇用(ひせいきこよう)者
⑤ ワーク・ライフ・バランス
A 約10% B 約25% C 約45%
答え A 約10%
これで基礎学力バッチリです。