

今日は、オザビエル(私)が、
心理学者、千葉大学名誉教授
多湖 輝(たご あきら)さんの著書
『楽老のすすめ』から
実践していきたい
「幸齢者mind」をお届けします。
目次
1 老いてこそできる捉われない生き方

1 「寿命など天が勝手に決めてくれる」
人間ができることを精一杯やるしかありません。
2 こだわりのある生き方こそ、年配者の最大の財産です。
自分が好きなこと、大事に思っていることに、こだわりを見つけ出してください。
3 ご同輩、ゆっくり行こうよ
鈍行電車は、目的地に着くのは遅いですが、その分、車窓から見える景色を楽しむことができます。
4 自分にとって一番の「いい」加減を見つけよう
競走馬を現役時代、カメを老年時代になぞらえば、若いころはひたすら走ることが適していても、年をとったら、もう競走馬のような無理な走り方は、しないほうがいい、ということになります。
5 ハイテク製品は、むしろ年配者にこそ使いやすい
次々に出てきて「便利競争」をしている機器に触れ、その便利さを楽しめば、老後の人生に多くの実りをもたらすこと請け合いです。
6 年をとったからこそ楽しめる「第二の新婚生活」
公園などに出かけると、手をつないで歩いている老年夫婦を見かけることがあります。その二人にしかわからないような呼吸が感じられます。何者にも冒しがたい、二人だけの世界が厳然としてあるのです。 ※ いかめしくおごそかなさま
7 妻を「オイ」と呼ぶと妻ではなく「老い」が来る
赤の他人である夫婦が、共通認識をつくるには、その第一歩が、奥さんを名前で呼ぶことであり、次のステップは相手を尊重することです。奥さんの髪型や草生や趣味などを知ったとき、あなたは一人の男性として、女性である妻と再会し、「老い」を忘れることでしょう。
8 「楽」が長くなると「苦」になります
たしかに、楽ばかりしようとすると、体力が衰え、いろいろな障害が生じて「苦」が来ることになるでしょう。「ら~~く」
9 「計画倒れ」を楽しめ
「始めてみてはじめてわかることがある」
2 若いときできなかった楽しみを楽しむ

10 肩書きのない名刺を使えるようになって一人前
ぜひ肩書き無しのオリジナル名刺を作ってみてください。
11 発想を転換する言い換えのマジック
これまで自分が知らなかった新たな楽しみを見つけるのと引き替えに、サラリーマンの特権を捨てるのです。
12 あなたは今、「何」と呼ばれていますか
「〇〇さん」と呼ばれるだけで、魅力を伝えられる人間になりたいものです。
13 「毎日が日曜日」なら、その日曜日を楽しもう
年をとるということは、若いときにやりたかったことを思い切りやれる自由を手に入れたことを意味しているのです。
14 隠れて居ながら神出鬼没の、楽しい「隠居」生活もある
自由な時間を好きなだけ確保して、でも、たまにひょっこり表に顔を出して、小言くらいは言うかもしれないよ、という生活。老年生活を充実させていくには、こうしたしたたかさも必要です。
15 年をとるほど、夢見る力が大切になってくる
若者はあふれるエネルギーで夢を引き寄せますが、年配者は、まず夢を持つことで生きる力を引き寄せる。つまり夢に生かされる、というわけです。
16 昔、あきらめたことも「今だから」できる
人間の潜在能力は、いくつになっても掘りおこせるのです。必要なのは、それを実行に移す意志なのです。結果など気にする必要はないのですから。
3 「今どきの年寄り」は、こんなに強い

17 老いては「個」に従い、「子」を従える
「個に従え」とは、老いてこそ自分の個を大切にして、個の赴くまま、子どもにすら文句を言わせず、むしろ「子を従える」老人になろう。
18 年をとると狸や狐を演じやすくなる
徳川家康が狸の代表ならば、狐は高杉晋作でしょうか。年をとったら、ちょっぴりいたずらっ気も出しながら、愉快にやっていきたいものです。
19 「いい年」とは、何をしても「いい」年
「夢は子どもだけのものではない。いくつになっても、やりたいことがあるのなら、周りが何と言おうとやればいい」
20 「怖いものがなくなる」のが年配者の強さ
「何があっても、動じることなく、事態を楽しんでしまうこと」
21 「回り道」ができるのは年の功、年輪の知恵
金網の向こう側にエサを置くと、ヒヨコは、エサをめがけて突進します。猫は、目の前の金網から回り込んでエサに辿り着くことができます。
22 年齢は人生の「無駄」を「財産」に変える
「いやいや無駄ではなかった、それらのすべてが自分を作っている」
23 人生に「荒波」は御免でも「さざ波」は必要
老年を迎えてからの「荒波」は体にこたえます。「さざ波」は頭を活性化させてくれました。
4 今まで以上に求められる年配者の役割

24 世の「少数派」になった自覚でものが見えてくる
年をとって、社会の中で「少数派」になったからこそ、見えるものがたくさんあるはずです。
25 「少数派」を大切にすることのメリット
少数派の人間は、ものごとを、余裕を持って見ることができます。尊大にならず、他人の痛みのわかる人間になれることでしょう。
26 現役にはできない年配者の役割がある
本来しつけをすべき人が、しつけることができない今、「口うるさいじいさん」、「おせっかいばあさん」の存在価値が大きくなってきたと、私は新たな生きがいを見つけた思いで、実は張り切っているのです。
27 「国際人」から「国際老人」へ
言葉は、話せることに価値があるのではなく、どれだけ話したい中身を持っているかだ、とよく言われています。
28 長年日本に生きて日本のよさを知る強み
自然に恵まれた環境に生まれた日本人は、欧米人が騒音と感じる虫の音に耳を傾け、自然を大事にしてきました。
29 天下国家、百年の計を考えるのは年配者の役割
天下国家のさまざまな問題解決の方法や、百年先を考えることは年配者の役割であり、それは実に素晴らしいことなのです。
30 嘆くよりもまずもの申し、そして動く
私は、批判をされることを承知で、あえて、「能力別教育」を提唱したい、と思います。それが、世のため人のために学問を修めようという本当の意味でのエリートを育てる道だ、と思うからです。
5 若い人との尊敬される付き合い方

31 自信を持って年配者の「異文化」を伝えよう
今の若者にとっては、モノクロ映画やラジオなどは、前世紀の遺物であり、「異文化」そのものなんでしょう。
32 堂々と、古い、ダサい、クサイ話をしよう
テレビ小説「ゲゲゲの女房」がヒットしたのはなぜでしょう。それは、やはり人々の心に、目に見えないものを信じる気持ちがあるからに違いありません。ですから、私は、堂々と「古い」話をしていこう、と思っているのです。
33 「昔話」には思わぬ効用がある
出撃していった特攻隊の人々や、夫や息子を戦場に送り出した女性たちの思いなど、後世の人々に、襟を正して聞いてもらいたい話はたくさんあるのです。
34 年配者の発言を、若者は待っている
若者がタメ語しか使わないのは、それしか知らないからであって、その間違いを指摘すれば、必ず、自分の言葉づかいを見直すようになります。
35 「今どきの若者は!」と言ってなぜ悪い!
現代に生きる若者が少しも幸せに見えない昨今、私たちが育んできた精神ややり方を、私は伝えたいと思います。
36 年配者には、若い人に「責任」を教える責任がある
私たちにできることは、過去の体験をたくさん語ることで、若者の想像力を養うことです。そうすれば、自分の言動には責任が伴うのだということもわかるでしょう。
37 「お人好し」を楽しむのも年配者の余裕
もっとのほほん、「お人好し」でいけるのも年配者の余裕ということです。
38 若者に「異議」を唱えることにこそ「意義」がある
私が思うに、若者を中心にして、善悪やモラルの判断があやふやになっているのです。そうした動きを誰も止めようとしないことに、大きな問題を感じざるを得ません。
39 そこのお若いの、あなたもいずれ老人になるんですよ
「子ども泣かすな すでに来た道 年より泣かすな これから行く道」自分も親を困らせてきたくせに、それを忘れて子どもを泣かせることや、それが自分の将来であるのに、老人にツラく当たることを戒めた言葉です。
40 「今どきの若者」を認めてやる年配者の余裕
今も昔も、大人と子ども、年配者と若者は、多少のずれが生じて当然なのです。その違いや溝をムリに埋めることはありません。むしろ、その違いを面白がることです。
41 年配者の役割は、間違いを正しい道に戻す監視役
日本にも、伝統を重んじる側面があるためか、たとえば、東大寺の大仏殿などは、世界最古の木造建築が、そのまま維持されているのです。
6 今の「生」を楽しくする「死」の考え方

42 「やりたいこと」があるうちは老「後」にならない
ときには死を実感し、いつそれが来ても悔いがないように生きよう、と考えることも大切です。そうすれば、今日の日を大切に、やりたいことをやっておこう、という前向きな気持ちになれるはずです。
43 世話をされながらも「尊敬される生き方」がある
あなたの人生は、あなただけのものです。自分の人生の主人公であり続けようとすることで、「尊敬される生き方」が実現できるはずです。
44 子どもや若者に寄りかからない自立性を持ちたい
お互いに自立していればこそ、いい人間関係が結べるのです。
45 「子どもに美田を残す」より賢いお金の使い方
貯蓄をしている年配者が、銀行に眠っているお金を福祉の財源に回すという策です。そのお金をプールしておいて、介護保険などに回せば、若い人に負担をかけることもありません。
46 老後のお金は、稼ぐものではなく、集まるもの
長い現役生活で培った有形・無形の財産を惜しみなく放出してみると、やはり有形・無形の対価が自然と集まってきます。
47 必ず訪れる死までを、どのように生きるか
「立つ鳥跡を濁さず」とは、日本人の美徳の1つです。後の人の手を煩わせないように、すっかりきれいにしておく、ということです。
48 死んだ後を想像する「今」の楽しさ
山に木を植えている人は、想像力さえあれば、百年後を思い描くことはできます。その木が育って人々が喜ぶことを想像すると、「今」が楽しくて仕方ないのです。
7 今日の金言 多湖 輝(たご あきら)
もう自分の人生は、「余生」だなと思うのは「よせ」
自分がバカになって周囲を笑わせるのが
年配者ならではの「楽老」の極意
ロシアの動きがのろい蚊を「トロイカ」といいます。
その蚊に効く注射の名前は「カチューシャ」といいます。
セミのヒグラシは「カナカナ」と鳴きますが、
さびれた町では「カネカネ」と鳴くヒグラシがいて
その品種は「ソノヒグラシ」というそうです。

年配者になっても「守りの姿勢」にならず、
前向きに楽しんでいこうではありませんか
「楽老」の実現のために最も大切な条件とは
- 「求められる存在」であること
- そしてその求めに応えていくこと
何事も、「少しずつ、少しずつ」
家族や周りの人が「喜ぶ」生き方をして
「無事完了!」と報告したいものです。
出典 『楽老のすすめ』 多湖 輝(たご あきら) 発行所 海竜社 画像はヤフー検索から